曹洞宗 東日本大震災 災害対策本部 復興支援室分室 | はあとふる・ふくしま

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社会福祉法人 福島県社会福祉協議会 避難者生活支援・相談センター

曹洞宗 東日本大震災 災害対策本部 復興支援室分室

2019/10/30
 

「もう来なくていいよ」「大丈夫だよ」
皆さんにそう言っていただけるその日まで、
支援活動を続けていきたいと思います。

復興支援室分室の皆さん。写真左から、佐藤正乗さん、久間泰弘さん、齋藤光輝さん

福島駅前のビルの一室に事務所を構える曹洞宗復興支援室分室。こちらでは東日本大震災以降、福島県内をはじめ、岩手県、宮城県の各地に向けて様々な支援活動を展開しています。主事を務める久間泰弘さん、書記の佐藤正乗さん、齋藤光輝さんに話を聞きました。

■お寺ではなく、まちなかに事務所があるんですね。

佐藤正乗さん
震災当年の5月から伊達市霊山町の成林寺(じょうりんじ)の境内にプレハブを建てて支援活動の拠点としていたのですが、2013年5月に福島駅前のビルに事務所を移し、物資支援、一般ボランティア、行茶(ぎょうちゃ)活動などを継続しています。

佐藤正乗さんは、伊達市月舘町・茂林(もりん)寺の副住職。週末はお寺、平日は支援室の仕事をされています。

■ 行茶活動って何ですか?

佐藤正乗さん
行茶活動とは、いわゆる傾聴ボランティアです。メンバーは、青年会のメンバーを中心に、お寺の奥様方、仏教系の大学に通う学生さんなどが加わることもあります。
災害によって、物理的、心理的にストレスを抱えている人たちのところへお伺いし、お茶を飲みながらワークショップを行うなどして、被災者が自分自身と自らの日常をゆっくりと取り戻し、心休まるひとときを提供するという支援活動です。

行茶活動/2012.12.3 宮城県亘理町(荒浜支所)

行茶活動/2013.7.4 福島県福島市(北幹線第一仮設住宅)

行茶活動/2017.12.1 福島県いわき市(四沢団地)

■ 行茶活動を通して見えてきたことはありますか?

佐藤正乗さん
被災された皆さんからは、最初の頃は「これがない」「あれがない」といった物資の不満や体調のことなどの話が中心でしたが、仮設住宅や復興公営住宅に移ると、「早くふるさとに帰りたい」という声が多く聞かれるようになりました。
行茶活動のあとは、活動レポートという形で関係してくださっている方々にファクスなりメールなりでお伝えしているようにしています。

支援室分室に貼られた行茶活動のマップ

■ 相手がお坊さんだと話しやすい、ということもありますか?

佐藤正乗さん
ふだんから檀家さんとお話をする機会が多いので、そういったことも多少はあるかもしれません。それに、ご家族や相談員さんに話せないようなことも、月に1回や半年に1回ぐらいで伺う外部の私たちなら話せるということもあるかと思います。

■ 「チャイルドラインふくしま」という活動を行っていると聞いたのですが、どんな活動ですか?

支援室分室主事・チャイルドラインふくしま事務局長兼理事を務める久間泰弘さん。
伊達市霊山町の龍徳寺のご住職でもあります。

久間泰弘さん
チャイルドラインは、18歳までの子ども対象の電話窓口です。子どもたちが抱える悩みに耳を傾け、その気持ちに寄り添う活動です。電話を受けるのは養成講座を受講した方で、私たちはその事務局運営を支援しています。

チャイルドラインのパンフレット、リーフレット。
全国からつながるフリーダイヤルで子どもたちからの電話を受け付けています。
0120-99-7777

■ 福島県では、どのような相談が多いのでしょうか?

久間泰弘さん
震災後は、人間関係やいじめに加えて、家族離散や虐待などの話も増えています。2014年には年間で23,070件の相談がありました。これは全国7位の相談数で、人口比率から見ると非常に高い件数と言えます。
現状で電話をかけてくれる子どもはいいのですが、チャイルドラインの存在を知らない子どもたちもたくさんいますので、チャイルドラインを知っていただく啓発フォーラムを開くなど、地道な活動を続けています。


■ 他にはどのような活動をされているのですか?

久間泰弘さん
震災当年度から行っている事業としては「こども自然ふれあい広場」があります。これは、原発事故の影響により過度のストレスにさらされてきた子どもたちや保護者の心と体のサポートを目的に年に数回県内外でキャンプを行うものです。参加者は主に小学生の4・5・6年生とその保護者となります。

唯一僧職には就いていない齋藤光輝さん。支援室立ち上げ当初からのメンバーで、災害時対応の備蓄品運用を図るストックヤード整備事業の調整なども行っています。

■ 県外の子どもたちとの交流もあったりするのですか?

齋藤光輝さん
岩手県、宮城県、福島県の3県で被災した子どもたちを集めて交流キャンプを開いたこともありますし、昨年の西日本豪雨災害のときには、別の支援団体とのつながりから愛媛県の子どもたちとショートステイの交流も続いているなど、新しい交流の輪も生まれています。

「こども自然ふれあい広場」2013年 長野県上田市

「こども自然ふれあい広場」2018年 秋田県鹿角市

「こども自然ふれあい広場」2019年 山形県米沢市

■ これらの支援活動はこれからも継続していきますか?

佐藤正乗さん
はい、続けていきたいと考えています。もし終わり方があるとすれば、皆さんから「もう来なくていいよ」「大丈夫だよ」と言っていただけることでしょうか。
私たちの支援活動は成果の良し悪しを求めるものではなく、皆さんにお会いしたいから行くだけです。特に行茶活動は、同じ地区に何度も足を運んでおり、皆さんと親しくなりましたので、会いに行く日は本当に楽しみです。
私たちならではのスタイルで、他の支援団体の皆さんとは違った角度から、復興を支援していきたいと考えております。

──ありがとうございました。

連絡先

曹洞宗 東日本大震災 災害対策本部
復興支援室分室
〒960-8034 福島県福島市置賜町1-29 佐平ビル8F 805号室
TEL 024-563-4305 FAX 024-563-4306
(HP・ブログ)https://zenso.wordpress.com

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