社会福祉法人 福島県社会福祉協議会 避難者生活支援・相談センター

楢葉町社会福祉協議会「地域コミュニティ形成へむけて」

2018/07/27
 

楢葉町は、3月31日で仮設住宅の供与が終了し、震災前の人口の約5割の方が町へ戻ってきています。しかし、高齢者世帯や高齢者の一人暮らしが多いため、楢葉町社協としては町民同士の交流を促進し、孤立しないでお互いが助け合えるような環境づくりに取り組んでいます。

今回は楢葉町社会福祉協議会の主任生活支援員の古市美津江さんにお話を伺いました。


Q1 : 仮設住宅などの供与終了から3ヶ月が経過しましたが、町に戻ってこられた方の様子はいかがですか?

古市さん
戻ってこられた方の多くは、表情が生き生きしています。自宅に戻られ、のびのび生活していることで、心と身体の健康、特に長い避難生活でなまった体のリハビリに繋がっていると思います。
反面、避難先でのコミュニティ(仲間)を思い出し寂しさを訴える方もいます。



Q2 : 楢葉町には20の行政区があるとお聞きしていますが、震災前と比べ行政区の活動(祭りや集会)はどの様に変化していますか?

古市さん
若年層の帰町者が少なく、行政区ごとの活動はまだまだ再開していません。
しかし、今年は町全体を活気づけるため、行政区を越えて若者たちが集まり、夏祭りを復活させ大盛況でした。
また、古来から継承されてきた楢葉町の春の風物詩である「例大祭」が復活した行政区では、8年ぶりの再開を高齢者が感慨深く見つめていたことがとても印象的です。



Q3 : 行政区の活動について、町民の方はなんと言っていますか?どんな望みを持っているようですか?

古市さん
昔のような地区行事が行われることを皆さん心待ちにしています。
しかし、やりたいけど高齢者ばかりで出来ないのが現実です。
今は地区ごとに住民が集まるミニデイサービスを楽しみにしています。



Q4 : 行政区の活動は、町民の生活にどの様な影響を及ぼしますか。

古市さん
地区ごとに町民が同じ目標に向かうことは、生きがいや居場所づくりになると思います。
家に一日中居て、何もすることがない生活にメリハリを付けることは、心身の健康バランスを保つにはとても効果があると思います。



Q5 : 行政区の活動を活発にするために相談員はどんな関わりをしますか?

古市さん
地区の行事は町民の自主的な活動ですので、相談員が直接手を貸すことはありません。
相談員は、訪問時やサロン開催時に地区行事の様子や町の情報を町民に伝え、町民のやる気を引き出せればと思っています。



Q6 : 今後の避難者支援活動について予定(計画)をお聞かせください。

古市さん
町民が現在住んでいる地域で新たなコミュニティをつくる前段として、まず心と身体の健康維持を支援していきます。
毎週火曜日と金曜日に「サロンふらっと」で介護予防教室を開催し、町民の健康維持と健康状態の変化を気にかけています。
また、介護予防教室に参加出来ない方に対しては、戸別訪問し安否確認や相談の見守りを継続していきます。






主任生活支援員 古市 美津江 さん

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