生活支援相談員の10年の活動を振り返る
菊多晴美さん
郡山市社会福祉協議会
生活支援相談員
(避難者支援活動年数/5年)
Q1:避難者支援に長く携わる上で、大切にしてきたことはなんですか。
東日本大震災において、同じ被災者であっても避難を経験しない避難先社協の相談員として、相談員の業務内容と支援対象者が求める支援の相違に葛藤の毎日でした。10年を迎えるにあたり支援対象者が抱える個々の問題とそれらを取り巻く環境が変化しつつある今でも同じです。
相談員の仕事は支援対象者とのコミュニケーションから始まります。笑顔と挨拶を大切に、また言葉使いも敬語と時には方言も交え話し易い環境づくりを心掛けてきました。
被災地に11度目の桜が咲こうとも、そこに帰れない住民の方々が避難先で生活せざるをえない、その気持ちを忘れてはいけないと思います。
Q2:この10年の活動で印象に残っている出来事を教えてください。
サロン支援として陶芸教室を開催した時のことです。講師をお願いした先生が地域公民館で市民対象の陶芸教室を開講していたこともあり、その後サロン参加者はそこで市民と一緒に陶芸を楽しむことができるようになりました。参加者より、良い先生との出会いと陶芸ができるきっかけを作ってくれた事に対してのお礼の言葉を頂きました。避難者と地元住民の壁が少なからずある中、ひとりでも地域に溶け込もうとする人がいる事に相談員として仕事をしている実感が湧き励みとなりました。