5月16日・17日の2日間、福島県社会福祉協議会の主催で「平成25年度市町村社会福祉協議会 生活支援相談員等研修会(基礎編)」が開催され、60人の新任生活支援相談員(以下、相談員)がビッグパレットふくしまに集まりました。福島県内では190人を超える生活支援相談員が活動していますが、今回は昨年度の基礎研修以降採用された方々を対象に開催したものです。
研修カリキュラムは、県社協の統括生活支援相談員と日本ボランティアコーディネーター協会が協働で企画し、担当科目を分担しながら実施しました。研修内容は下記の通りです。
形態 | 科目名 | 担当講師 | |
第1日目 | 講義 | 生活支援相談員の位置づけと役割 | 福島県社会福祉協議会 主任統括生活支援相談員 八巻 忠義 |
講義 演習 |
生活支援相談員の仕事 被災者・要援助者の個別のニーズに応える支援 |
日本ボランティアコーディネーター協会 (龍谷大学 社会学部 教授) 代表理事 筒井 のり子 |
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第2日目 | 講義 演習 |
人と人、人と組織のつながりづくり ~市民のボランタリーな気持ちを活かして |
日本ボランティアコーディネーター協会 事務局長 後藤 麻理子 |
講義 | 生活を支える社会資源 ~福祉制度の活用とつなぎ方 |
福島県社会福祉協議会 統括生活支援相談員 橘 智行 |
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研修の振り返り | 日本ボランティアコーディネーター協会 福島事務局 栗原 穂子 |
生活支援相談員は、仮設住宅や民間借上げ住宅等を巡回して必要な情報を届けたり、避難生活の中での困りごとや心身の不調などのニーズをキャッチし、適切な機関やサービスにつなぎます。長引く避難生活のなかで、継続して訪問してくれる相談員の存在はとても心強いという声も多く、自治会や他機関の専門職とも連携しながら活動を進めています。
活動の形態は、相談窓口や電話で住民からの連絡を持つのとはちがい、相談員の方から生活の場へ出向いていく形態で、暮らしの中のちょっとした心配から、解決が難しそうな複雑な問題やトラブルまで、幅広い住民ニーズをまずはしっかり聴くことから始まります。なかには訪問してもなかなか扉を開けてくれない方もいらっしゃいますし、受け止めるだけで答えを出せない問題も少なくありません。そのため研修は、相談員の知識やスキルを身につけることはもちろんのこと、お互いの情報交換や話し合いを通して日頃の活動を整理し、確認し合い、励まし合い、明日へのエネルギーを持ち帰ってもらう場でもあります。
研修の振り返りでは、相談員活動で大切にしたいこととして、「心をこめて」「笑顔で」「よく聴いて」、信頼される相談員になろうという声がたくさん上がりました。