上手なイライラのコントロールは、「イライラを失くそう」としないことです。
イライラを失くそうとするのではなく、上手に「付き合うこと」、「コントロールすること」が大切です。
今回のような大災害で、非日常的な生活が続く中では「イライラを失くす」ことはあまり現実的ではありません。
コントロールのための2つのステップをご紹介します。
ステップ1 気がつく
上手にコントロールするためには、まず「気がつく」ことが必要です。
なるべく早い段階でイライラに気がつき、準備することが必要です。
イライラのサインには、手足の動き、口調が乱暴になる、落ち着かない、心臓のドキドキなどがあります。
ステップ2 対処する
対処を考えるときは「こころの問題」や「性格の問題」とは考えないようにしてみましょう。
「こころ」や「性格」を変えるよりも、具体的な行動や物理的な場所、状況、
見えるものを変えてしまうなどの気分転換が役立ちます。
以下に具体的な対処の例をあげてみます。
①体のリラックス
まず、「体」をリラックスをさせましょう。深呼吸、首・肩をまわすなど、
簡単なストレッチで体をリラックスさせて気持ちを切り替えましょう。
②場所、状況、見えるものを変える
イライラしているその場所・状況で「イライラしないようにしよう」というのは、なかなか上手くいきません。
対象となる物や人が物理的に見えなくなるように場所・状況そのものを変えてみましょう。
小さなお子さんを育ているお母さんのなかには「その場を離れるわけにはいかない」という方もいるでしょう。
そんな時でも数秒は視線をはずす、背中を向けて深呼吸する、というような工夫をしてみましょう。
福島県立医科大学医学部 神経精神医学講座
助教 臨床心理士 髙橋高人