【地域との橋渡し】
避難者地域支援コーディネーターが配置され一年が経ちました。福島市社会福祉協議会では、避難を継続されている方々が現在の居住地で人と人、地域とのつながりの中で安心した生活を送ることができるよう、交流の強化、居場所づくり、生きがいづくりや地域との関係づくりに取り組んでいます。
今年度は、復興公営住宅に入居されている方の入居状況の把握と個別訪問を行いご様子を伺っています。
平行して、復興公営住宅の自治会長さんや管理人さんに挨拶に伺い、市社協や避難者支援コーディネーターの存在と活動内容を紹介させていただくことから始めました。その際、入居者の高齢独居が多く交流が少ないこと、特にコロナ禍により外出が減り、さらに交流が減ってしまったことだけでなく、体を動かす機会も減ってしまい高齢の方々の健康を心配されている等の声を伺いました。これらは、今後自分達が関わっていく団地の雰囲気や課題、入居されている方々の様子を教えていただく良い機会となりました。
県北地区の復興公営住宅自治組織情報交換会では、団地と立地地域との状況や団地共通の課題だけでなく、団地ごと、同じ団地であっても棟によっても状況が異なることを知り、改めて避難者地域支援コーディネーターの必要性や団地の実情に合わせた支援の必要性を強く認識しました。
〈復興公営住宅入居者向け避難者地域支援コーディネーター紹介のチラシ〉
また、復興公営住宅と地域との関係性の点から、地域に一番近いところで活動されている民生委員さんとの関係づくりに向けて、団地立地地域の民生児童委員協議会定例会に参加し、避難者地域支援コーディネーターの活動の紹介等を行っています。
団地の自治会長さんを交えた民生委員さんとの意見交換の場では、「避難者に関する情報が少ない」と意見が挙がっていたものの、「今後はお互いに相談できるような協力体制を築いていくことができればよいと思う」といった意見が挙がりました。同様に地域の総合的な相談拠点ということで、市内の各地域包括支援センターへ伺い、現状や取組、連携についてお話をさせていただいているところです。避難されている方々が地域ので安心して暮らしていくことができるよう団地と地域の橋渡しをしていければと思います。
〈地域の関係者向け地域福祉係・避難者地域支援コーディネーター紹介チラシ〉
【様々なつながりをコーディネート】市内に避難されている方々の交流を目的として毎月第4水曜日に開催している ホッとサロン『てとて』」は、毎回 20~30 名の方々にご参加いただています。参加者からの意見をもとに内容を企画し、今年度は、専門家による講座、ミニコンサート、昔話の口演、ボッチャ、レクリエーション等、幅広い内容で開催しています。さらに今年度からは、地域の方々との良好な関係性の構築を目指し、地域で暮らしていく中での安心感や快適さにつながる手立てとして、福島市民の方にもサロンへのお誘いをしています。ご参加いただいた方からは、 毎月1回同郷の方と会って話をするのが楽しみ」、 このような場があってありがたい」、 楽しく勉強させていただいている」等の声をいただいており、交流の場としてだけではなく、心と体の健康にもつながるような場として、私達も楽しみに引き続き開催に取り組んでいきたいと思っています。「てとて」ワークショップも引き続き開催しており、今年度は山野草教室、市内の歴史散策、巻き寿司アート教室、おいしいコーヒーの入れ方教室等を企画しています。
〈ホッとサロン 「てとて」の様子(上:笑いヨガ 下:山野草教室)〉
個別訪問の際にお聞かせいただくお話の中で「団地内の交流がない」「交流する機会がない」等の声を多く耳にし、心配しているところです。そのような心配事を解決していくことは、まさに避難者地域支援コーディネーターの役割となりますので、現在は団地内の入居者同士の交流と団地入居者の方と地域の方が交流できるような場を作っていきます。
日々手探りな状況ではありますが、人と人、人と地域をつなぎ、助け合い支え合いながら皆様が自分らしく暮らしていくことができるよう尽力してまいります!
福島市社会福祉協議会
避難者地域支援コーディネーター
鈴木晶・山田和子