社会福祉法人 福島県社会福祉協議会 避難者生活支援・相談センター

大熊町社会福祉協議会
「新型コロナウイルス流行後の生活支援相談員の活動」

2020/11/02
 

生活支援相談員は、訪問やサロンでの交流を通して被災・避難された方々の見守り・相談支援活動をしていますが、新型コロナウイルス流行後はどのように活動したのでしょうか。
大熊町社会福祉協議会の宮林良周さんにお聞きしました!

Q1:新型コロナウイルスの流行で生活支援相談員活動にはどのような影響がありましたか。

宮林さん
緊急事態宣言が出て訪問を自粛することになりましたが、避難者の孤立や地域コミュニティ形成が停滞することが心配でした。また、感染対策の一環として在宅勤務をすることになり、個人情報の取り扱いなどルールを作り新しい体制で活動をしました。

Q2:新型コロナウイルス流行以降、活動形態はどのように変化しましたか。

宮林さん
4~6月は訪問の代わりに電話で様子伺いをし、電話が繋がらない時は住宅を訪れてインターホンを鳴らし、ポストの様子や駐車場に車があるかを確認しました。また、ポストに訪問表を投函して後日確認するなど、所在が確認できるまで訪問しました。その他には、「生活支援相談員の訪問活動自粛のお知らせ」や「室内でできる運動の仕方」、「新型コロナウイルス対策」のチラシを送付するなどしました。

Q3:支援対象者にはどんな影響がありましたか。

宮林さん
人との交流がなくなり相談員からの電話で久しぶりに人と話をしたという方、自由に行動できないことや家族が在宅勤務で家にいるなど環境が変わってストレスを感じている方もいました。また、運動不足で身体機能が低下する方や感染を恐れて通院を控える方が増えたことも心配でした。

Q4:通常の訪問による様子伺いができないことにどのような不安を感じましたか。

宮林さん
電話の方がいつもより話をしてくれる方がいたことは予想外の効果でした。しかし受話器越しの会話だけでは、本来は気付くことができる変化を見逃してしまうのではないかと不安でした。生活状況や健康状態など直に会って気づくことは多くありますから。

Q5:現在はどのように活動していますか。

宮林さん
訪問頻度の高い高齢者や独居の世帯を中心に訪問を再開しましたが、感染状況を踏まえ訪問の対象を広げながら活動しています。

Q6:訪問時の取り組みについて教えてください。

宮林さん
感染症対策として訪問で使用する車両の消毒、訪問前に電話で訪問相手の体調確認や訪問日の調整をします。訪問時は手指の消毒と、玄関先で適度な距離を保ち面会することを徹底しています。どうしても入室が必要な場合は15分程度とするなど、新しい生活様式に即して活動しています。相談員自身も毎日の体温測定と体調の確認、行動歴の把握をするようにしています。



 

Q7:サロンの時にはどんな点に注意していますか。

宮林さん
チェックリストを活用し、感染防止対策を徹底して開催しています。
また、密にならないようサロンは同じ内容で2回開催し、参加者を分散させて多くの方が参加できるようにしています。



 

Q8:訪問の際、新たに着目しているポイントはありますか。

宮林さん
外出の機会が減っているのでストレスが溜まっていないか、運動不足による生活不活発病など新型コロナウイルスの影響に着目しています。さらに家族や近隣住民と接する機会が減っているので孤独を感じていないか注意をしています。

Q9:この半年を振り返って感じることを教えてください。

宮林さん
新型コロナウイルスは大変なことが多くありましたが、「相談員と電話で話をすることでストレス解消になった」「相談員の訪問が頼もしかった」「相談員の訪問が支えになっていた」と言ってくれる方もいて、改めて支援対象者との信頼関係が強くなったと感じています。


大熊町社会福祉協議会 中通り連絡所のみなさん

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