双葉町主催の「実務者会議」は震災以降継続して実施されています。(概要は2017年10月11日掲載の生活支援相談員通信に紹介:http://pref-f-svc.orgarchives/10905)
双葉町社協の生活支援相談員も構成メンバーとして毎回参加し、情報の共有と生活支援相談員の役割と支援の方向性を確認しています。
生活支援相談員の皆さんは、訪問して集めた情報を整理・分析して「実務者会議」に臨んでいるとお聞きしています。今回は、生活支援相談員さんたちの日頃の活動が「実務者会議」でどのように活かされているかについて、双葉町社協郡山事務所の主任生活支援員の林利久さんにお話を伺いました。
Q1:「実務者会議」では話し合われている中で、現在の双葉町民の抱える主な心配事や困りごとはなんですか?
林さん
町民によって心配事や困りごとは様々ですが、避難により職を失いその後の就労が難しく、生活費の心配が出てきたり、世帯分離による老々介護や転居による環境の変化で認知症の問題等も上がってきています。
Q2:それを見つけるために、生活支援相談員さんたちは戸別訪問ではどのような点に着目して対面・会話をしていますか。
林さん
相手の表情、話し方、目線、生活状況の変化などいつもと違うと感じれば、気になったところを深く話をお聞きするように心がけています。
Q3:戸別訪問から得た情報をどのように整理して、その方を理解して生活課題を明らかにしていますか。
林さん
気になる情報を得た場合は訪問した相談員同士で再確認後、郡山事務所内ミーティングを行い、今後の対応を考え、ケースによって担当を決め責任をもって継続的な関わりもっていく形をとっています。
Q4:整理した情報はどのような形で「実務者会議」で活用されていますか。
林さん
実務者会議は双葉町保健師が主となり、避難先社協、心のケアセンター、双葉町民生児童委員、双葉町社協、ケースによっては県保健福祉事務所などが
出席し、情報共有をして今後の支援の方向性と役割を確認する会議になります。
生活支援相談員の日頃の情報や気付き等の細やかな情報提供を出来る場所になっており、切れ目なく支援ができるように話し合っています。
出席し、情報共有をして今後の支援の方向性と役割を確認する会議になります。
生活支援相談員の日頃の情報や気付き等の細やかな情報提供を出来る場所になっており、切れ目なく支援ができるように話し合っています。
Q5:「実務者会議」で話し合われたことで、効果的な支援につながったエピソードはありますか。
林さん
入院し治療が必要な状態でも本人が入院を望まず在宅生活を希望したケースがありました。
専門職から医療的な視点・観察ポイント・緊急時の対応などの注意点を教えてもらい、御本人の希望通り最後まで在宅生活を支えられたことが印象に残っています。
専門職から医療的な視点・観察ポイント・緊急時の対応などの注意点を教えてもらい、御本人の希望通り最後まで在宅生活を支えられたことが印象に残っています。
Q6:生活支援相談員にとっての「実務者会議」とはどんな存在ですか。どのように活用したいですか。
林さん
解決策が見つからなく、行き詰った時に『実務者会議で話し合ってみよう』と、とても心強い存在です。
また、多職種の貴重な意見を聞くことができる学びの場であったり、社会資源の発掘や関係機関への繋ぎ等、その人にとってより良い生活が営めるよう知恵を出し合う場でもあります。
また、多職種の貴重な意見を聞くことができる学びの場であったり、社会資源の発掘や関係機関への繋ぎ等、その人にとってより良い生活が営めるよう知恵を出し合う場でもあります。
Q7:今後の生活支援相談員の活動についてお聞かせください。
林さん
今後は生活支援相談員の活動だけでは解決が難しい困難ケースが増えてくることが予想され、実務者会議を活用し、広い視野を持ってきめ細かに支援して行ければと考えています。