南相馬市の仮設住宅では現在660名の市民が避難生活を送っています。
平成31年3月31日の仮設住宅の供与終了まで1年を切った今、避難者の様子と支援の状況について主任生活支援員の西千晶さんと山田恵美さんにお話をうかがいました。
Q : 仮設住宅の供与終了まで1年を切りましたが、仮設住宅で暮らす避難者の様子はいかがですか?
西主任
仮設に残っている方の多くは、年齢は若いが就労できず生活困窮に陥っている方、自宅を再建したのに同居の家族と上手くいかず仮設に戻ってきた方、自分でこれからどうして良いか決められない方など、何かしらの課題を抱えています。
山田主任
仮設住宅の入居者が激減し、特に高齢の方は周囲との交流がなく、一日中部屋で過ごすことが多いようです。「何もすることがない、何もしたくない」など生活意欲の低下から体力の低下につながる悪循環に陥っています。
Q : 具体的な相談内容にはどんなものがありますか?
西主任
「この先一人で生活する自信がないので施設に入ろうか? 転居先でその地域に馴染めるだろうか?体調が悪くなった時どうすれば良いか?お金が無くなったらどうすれば良いか?」など様々な相談があります。
山田主任
相談対応の中で、家族の話を持ちかけると、「家族に迷惑を掛けられない。自分で何とかするしかない」など世帯分離の現状が顕著に現れています。
Q : 具体的な支援の状況について教えてください。
西主任
なにより、避難者の話を聴くことです。
その方のほんとうの困りごとは何か? その方は何を望んでいるのか?
避難者の思いに共感を持って避難者を理解することを心がけています。
その方のほんとうの困りごとは何か? その方は何を望んでいるのか?
避難者の思いに共感を持って避難者を理解することを心がけています。
山田主任
その方が安心して健やかに暮らすためにはどういう支援が必要なのか?
適切な時期に適切な支援機関につなげ、避難者を孤立させないようにしています。
適切な時期に適切な支援機関につなげ、避難者を孤立させないようにしています。
Q : 南相馬市社協では、避難者生活支援の体制が変わったと聞きました。
どのように変わったかお聞かせ下さい。
昨年度まで、生活支援相談室は3ヵ所の拠点を設け活動していましたが、震災から7年が経過し徐々に平時の地域福祉に戻す支援強化と支援 体制の充実を図るため、4月から生活支援相談室を統合し本部1ヵ所としました。
これにより、業務の一元化と生活支援相談員同士の情報共有が深まり、関係機関へのつなぎもスムーズになりました。
仮設住宅供与終了までには、避難者の方がご自分で行き先を見つけ、自らの力を取り戻すために寄り添った支援を継続していきたいと思います。