復興公営住宅に転居した方々と周辺住民の方々がどのように関係を築いていくのかは、避難者生活支援に関わる避けることのできない課題です。8月に開催しました第2回県南地区の連絡会では、復興公営住宅への転居後の住民間交流に不可欠である「地域コミュニティ」について、参加者全員で意見交換を実施しました。
今日、核家族化や個人の価値観の多様化等によって、地域コミュニティはただでさえ希薄になっていると言われています。復興公営住宅も例外ではなく、ドアを閉めてしまえば室内の様子が分かりにくい建物の構造上、仮設住宅のように顔なじみやお互いさまの関係性が築かれることは難しいのが現状です。
連絡会では、各機関から現在出来ていること、出来ていないこと等の報告をいただき、なぜ住民の方が新生活で孤独感・孤立感を感じるかなどについても意見が交わされました。
参加者からは「近隣が良好な関係であれば、地域コミュニティとの関わりが十分でなくても当面はよい」との意見が出る一方で、復興公営住宅において入居者が地域の一員として馴染んでいくためには、「自治組織と町内会が協力できる体制を促す工夫、きっかけづくりが重要」との意見も出ました。
今回の連絡会での討議が、復興公営住宅の住民と周辺住民が共に安全・安心な生活を築けるよう、生活支援相談員や関係機関が今後とも支援活動を共にしていく契機となればと思います。
総括生活支援員 安齋 裕美子