歴史ある、そしてほんとうの空がある二本松市、その二本松市社会福祉協議会の新たな取り組みについて紹介します。
二本松市社会福祉協議会は、避難されている方を対象に「こっ茶こっせ」サロンを開催しています。その中で、避難者同士の交流はもとより、既存の地元サークルの方やボランティア団体を講師にお呼びし、二本松市民との交流を図ってきました。そして、二本松市を知り、もっと好きになってもらうための名所案内や、美味しい銘菓を食べながらの「おしゃべり三昧」は毎回好評で、地域資源を知るきっかけ作りも行っています。
しかし、住民の帰還や住み替えが進み、サロンの参加者が減ってきているのが実情です。そこで新たに、避難者が地域に溶け込むための地域資源の掘り起しを始め、その中で避難者が自ら進んで自立した関わりが出来る働きかけを行って来ました。
その働きかけの一つとして、福祉教育が挙げられます。二本松市社会福祉協議会は、市内の高校にボランティアコーディネーターが出向いて、避難されている方の現状や高校生ができる活動とは何かをお話しし、ボランティア活動への参加を呼びかけてきました。その取り組みが実を結び、冬休みや総合学習の時間を利用し、高校生がスタッフとして「こっ茶こっせ」に参加してくれました。避難者の方々は「孫が来てくれたようだ」と大変喜び、高校生は「おじいちゃん、おばあちゃんと話しているみたい」と、楽しく笑い、おなかが痛くなるほど笑顔あふれる楽しい交流となりました。今後は、高校生だけでなく小中学生にも参加を呼びかけ、地域と避難者の交流の機会を増やしていく計画中です。また、東日本大震災、福島第一原発事故を風化させないため、避難者への理解を深める取り組みも計画しているそうです。
生活支援相談員は、地域のネットワークを駆使して情報収集力を高め、今まで気づかなかった沢山の地域資源を掘り起こし、避難者と地元住民に還元していくことが必要となります。また、生活支援相談員の皆さんの明るい笑顔が地域の協力者を増やしています。今後もその元気な笑顔で、住民同士のパイプ役となっていくことが期待されます。
※画像提供:二本松市社会福祉協議会