震災から10年、
これまでの支援とこれからの支援について
飯舘村社会福祉協議会
事務局長 安部光夫さん
Q1:これまではどのような事に留意して避難者支援活動を行ってきましたか。
①避難先を転々とした村民の所在・安否確認、不安や心配ごとの傾聴(個別支援)を通して寄り添うこと。②村民が集うお茶会(地域支援)などを通して、孤立の防止、交流の促進に努めること
③仮設住宅の終了に伴い自己決定(避難先での自宅再建、公営住宅への入居、帰還)のための情報の提供・相談等を通して自立に向けた支援すること
④帰還した高齢者の見守りの継続、お茶会やサポートセンター『つながっぺ(サロン)』を通した生きがい、健康づくり、交流の場づくりをすること
Q2:生活支援相談員が果たしてきた役割をどのように感じていますか。
①仮設住宅や借上げ住宅等を訪問し、村民の安否確認や日常生活における不安・心配ごと等の相談活動、お茶のみ会などを通して、見守られているという村民の安心感の醸成に果たした役割は大きいと感じています。「あの頃の悩みを乗り越えこうして暮らしているのは、あの時の生活支援相談員のお陰です」と、今でも感謝の言葉を口にする村民がいます。②仮設住宅・借上げ住宅への入居時から避難先での住宅再建、公営住宅への入居、避難指示解除、帰村など、環境変化に対する不安に寄り添い、相談や情報の提供、行政へのつなぎなどを通して、自立にむけた支援をしたことです。
〇今後の支援について
Q3:今後はどのような事に重点を置き、支援活動を行っていく予定ですか。
①避難先で住宅を再建した方、災害復興住宅に入居している方は、その地域コミュニティーに溶け込んで生活するよう支援することです。特に見守り相談が必要な村民については避難先社会福祉協議会と連携し、見守るようにすることです。②村内帰還者の高齢化はますます進行しています。見守り訪問だけでなく、家事支援、配食、デイなどの在宅支援活動の充実が求められると思います。
③地域コミュニティーの再生のために、地域住民の手による地域サロンの開催・運営を支援し、地域の中で互いに支え合っていく体制づくりをしていきます。
Q4:生活支援相談員の今後の役割についてはどのように考えていますか。
①高齢化社会を見据え、日常生活の支援要望に応えることができるよう、傾聴などによりニーズを掘り起こす役割が求められると思います。②村に連綿と流れる「までいの心」で、住みなれた地域で、共に支え合い、安心して生活できる地域づくりを推進するコーディネーター的役割が求められています。
記念すべき第1回飯舘お茶のみ会記念写真です(平成29年5月9日)