社会福祉法人 福島県社会福祉協議会 避難者生活支援・相談センター

心身の疲れを取るために

2011/05/16
 

震災後、すでに2か月が経とうとしています。不便な生活が続き、心身の疲れがずいぶんと溜まってきています。少しでも疲れを解消するためのヒントをご紹介します。


(1)生活のリズムを作る
私たちの体は「活動」と「休養」がバランスよく備わって、はじめて健康が保たれます。これは心についても同じで、毎日決まったスケジュールで行動する方が、健康を保ちやすいのです。簡単に一日の時間割を作って、自分の行動を決めておくとよいでしょう。食事や睡眠の時間はおおよそ決まりますので、日中について何をして過ごすか、たとえば、自宅の片づけであったり、近所の散歩・探検であったり、あるいは避難所で何か役割を受け持ったり、といったように考えておくと、行動しやすくなります。ただし、欲張らないで、「今日はこれだけできたから十分」と物足りないくらいのところで切り上げるのがコツです。

(2)自分をほめる
先の見通しもなかなか立たないなど、つい落ち込んでしまいます。でも、みなさん、改めて自分を振り返ってみてください。突然こんな状況に置かれて「結構よくやっているな」と思いませんか?ぜひ自分を「うん、よくやっている」と誉めてください。「みんな同じなんだから当たり前」と思うかもしれませんが、そう思ったときは、みんなのこともあわせて誉めてください。心の中で誉めるのもいいですが、口に出してみると、さらにいいでしょう。ここでうまく自分や他人を誉めることができれば、必ず、自分の強さとなって返ってきます。

(3)お酒には要注意
お酒が好きだった方も多いかと思いますが、お酒は要注意です。お酒を飲むことは憂さ晴らしになるし睡眠の助けにもなるように思えますが、実は、かえって疲れがたまりやすくなり、気持ちの落ち込みも増やしてしまう作用があります。3日続けて2合以上飲んでいたときにはかなり要注意です。「こんな生活、飲んでないとやってられない」と思われるかもしれませんが、(1)のように日中の活動で気持ちを切り替えるようにしてください。自分は少量でコントロールできるという人も、避難所の中にはそういうコントロールができない体質の人もいますので、避難所での酒(や酒の匂い!)の持ち込みは極力避けてください。

(4)心のケアチームとは?
避難所を心のケアチームが巡回しています。食欲がなくなるなど体にきてしまった場合、普段の自分の心身の調子がなかなか取り戻せないといった場合、一時的に治療すると回復が早くなることがあります。ご相談ください。


福島県精神保健福祉センター 所長 畑 哲信

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