社会福祉法人 福島県社会福祉協議会 避難者生活支援・相談センター

Vol.5 石田 彩(福島県立医科大学医学部2年)

2013/11/27
 


こんにちは。福島ではすっかり木々も色づき、長い冬が近づいてきました。


私は、出身地は東京ですが、福島市に一人暮らしをしながら福島県立医科大学に通っています。東日本大震災が起こった2011年3月11日、私は東京の高校で受験に向けた勉強を始めていました。もとより医学部を志望していましたが、志望校は実家に近い関東圏の大学を考えていました。そんな中、東日本大震災が起こり、それに伴う津波により福島第一原発事故が発生したことをニュースで知りました。未曾有の大災害に私にも何かできることはないのか、と日々考えていました。もちろん、ボランティアに行くことも考えましたが、受験を控えている上に、現地に行く足もない高校生にできることは本当にあるのか、邪魔になるのではないかと考え、あきらめました。しかし、やはり、福島のために何かしたいと思い、私が出した結論が、福島県立医科大学に行き、将来福島で医師としてはたらく、というものでした。福島第一原発から漏えいした放射線の影響は、出るか出ないかもわからないし、出るとしても、それが何年後になるかもわかりません。福島に住む人々を放射線から守るには、長く共に歩んでいく医師が必要だと私は考えました。だからこそ、福島の大学で学ぶことで福島県のことや、そこに住む人々のことをより知ることができるのではないかと思い、福島県立医科大学に通っています。


私が福島県に来て、二度目の冬を迎えようとしています。一年目は生活することで精いっぱいでしたが、二年目になると、次第に福島に愛着も湧いています。これからも福島で生活することを考えると、私は福島県がとても好きになるでしょう。大学では、着実にいろいろなことを学んでいますが、まだまだ知識は浅く、これからも学ばなければならないこともたくさんあります。しかし、勉強ばかりしていても、良い医師にはなれません。学ぶことも忘れず、人の心に寄り添うことのできる医師になりたいと思っています。私が、福島の大学に通おうと思ったきっかけを忘れることの無いよう、日々福島で努力していきます。


プロフィール
氏名:石田彩
年齢:20歳
現居住地:福島県福島市
所属:福島県立医科大学医学部2年


2013年8月に国際ロータリーのプロジェクトでオーストリアのユースキャンプに参加。(中列左から4人目)
2013年8月に国際ロータリーのプロジェクトでオーストリアのユースキャンプに参加。(中列左から4人目)



この記事が気に入ったら
いいね!しよう