三春町社会福祉協議会 | はあとふる・ふくしま

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社会福祉法人 福島県社会福祉協議会 避難者生活支援・相談センター

三春町社会福祉協議会

2019/03/20
 

支援者の活動も支援する避難先社協の取り組み

社協名 三春町社会福祉協議会
時 期 平成23年8月~

【背景】

  • 三春町は福島第一原子力発電所から48kmに位置し、原発事故による約2000人の避難者を受け入れた。事故当日の夜、町の消防団員は避難者を乗せたバスを出迎え、避難所となった小中学校の体育館へと人々を誘導した。三春町社協は震災直後に災害ボランティアセンターを立ち上げて、県内外から届く大量の支援物資の管理・分配・避難所への配送拠点となった。
  • 三春町には、富岡町、葛尾村、大熊町、双葉町、南相馬市から人々が避難し、15カ所589戸の仮設住宅が整備された。三春町社協は相談員を配置して、他市町村社協相談員との仮設住宅戸別訪問、サロンの手伝いなどをした。さらに、避難者への支援だけでなく、相談員をはじめとした支援者が三春町で活動しやすくなるようさまざまな後方支援をしている。

【取組み】

三春町で避難者支援活動をする支援者を集めて連絡会を開催
  • 町内の避難者支援の現状や課題の共通認識と、関係機関との連携を深めるため、三春町社協が事務局となって連絡会を実施。月に1回町内で活動する各社協の相談員・職員、地域包括支援センター職員などが集まった。(現在は福島県社協が事務局を引き継ぎ、年2回実施)
  • それまでは、関係機関が一堂に会する機会はなく、各機関がそれぞれに活動している状況だったため、連絡会では各市町村からの避難者数、各機関の支援内容、避難者の現状等の情報を報告し合い、必要な支援や協力し合えることを話し合った。
  • 当初の連絡会では「どのくらい雪が降るのか」「冬はどのくらい寒くなるのか」といった避難者の声が聞かれた。三春町社協の相談員は、同じ県民でも三春町のことは意外と知らないんだと実感し、三春町での暮らしに慣れてもらおうと広報誌を配るなど町の情報提供を始めた。
    ◎避難者が三春町で受けられる行政サービス、福祉サービス など

【三春町の暮らしに役立つガイドブックなども各社協に配布】
三春町の暮らしに役立つガイドブックなども各社協に配布
町民向けの冊子だが町で生活する避難者にも利用できる情報が掲載

  • 連絡会ではグループワークを行い、テーマを決めずに相談員同士が自由に話し合い交流できる時間を設けた。さらに、アルコール依存や精神疾患を持つ方への訪問などで特別な対応が必要になると、心のケアセンターなどから専門職を招いて研修を行った。接し方、着目ポイントなどを学び、相談員のスキル向上を目指した。
  • 三春町社協が各機関から情報を集めて、連絡会参加機関の連絡網を作成した。何かあった時にどこに連絡をすればいいのかがすぐに分かり、緊急事態に関係機関が迅速に情報共有できるようにした。
ボランティアのコーディネート
  • 震災当初から、仮設住宅でボランティア活動をしたいという問い合わせはとても多かった。三春町社協が問い合わせの窓口となり、どの仮設住宅で活動をしてもらうか、いつ活動してもらうかなどの調整を行った。県内外からのボランティアは、仮設住宅での生活にストレスを感じていた避難者の気分転換になり多くの笑顔をもたらした。

【愛媛県の理容師による散髪ボランティア】 【語り部の講話サロン】
愛媛県の理容師による散髪ボランティア(左)、語り部の講話サロン(右)

  • また、市内各地に点在する借り上げ住宅の訪問には、地区ごとに巡回経路を検討しながら訪問計画を作成し、少しでも多くの世帯を訪問できるようにした。
  • 入居者からは「被災していないあなた達に何が分かる」「話すことは何もない」「訪問は必要ありません」と玄関をピシッと閉められたこともあった。また、「地元の相談員さんと話しがしたい」と言われ心が折れそうにもなった。
  • それでも、訪問を根気強く続けた結果、相談員の顔を見ると「ほっとするよ」と声をかけてくれるようになると、心が奮い立った。

【工夫】

  • 連絡会は立場を気にせず誰もが自由に発言できる会にした。どの社協も大規模な避難や生活支援相談員の配置ははじめてで、何をどうすれば上手くいくのか分からない。そのような状況下では「私たちはこうした」「住民は今○○に困っている」など、各々が持ち寄る情報や交わされる意見の一つ一つが重要だった。共通認識を図り、例えば“孤立・孤独に注意する”など共通の方針を持って活動することができた。
  • 「困ったときは連絡をください」。三春町社協は、町内で活動する支援者が困ったときに、何でも相談できる窓口になっている。町の情報を発信するだけでなく、避難元社協などから問い合わせがあったことを、代わりに町に問い合わせるなどして迅速に回答するよう努めている。

【効果】

  • 連絡会で「借上げ住宅居住者の情報は把握しにくく訪問できない世帯もあるため、仮設住宅に比べて支援物資が届きにくい」という課題が挙がった。三春町社協は、事務所を支援物資の受け取り場所にし、借上げ住宅にお住まいの方が自由に訪れて支援物資を受け取れるようにした。
  • 連絡会のグループワークで各社協の相談員が顔を合せ、意見を交えることで相談員間に信頼関係が生まれ、普段の活動でも連携がスムーズになった。また、活動上のストレスの発散にもなり、別れ際には笑顔で「また頑張ろう!」「また来月会いましょう」と励まし合うことができた。
  • 生活が落ち着いてきた避難者から「何かしたい」と相談を受けるようになった。ボランティア活動を勧めると「世話になったから」と町内でのボランティアに関心を持つ方もおり、三春町社協が町のボランティア団体へのつなぎを行っている。
  • 避難者の課題が明らかになってくると、相談員では解決できない問題もあり、個別の生活課題を解決するため専門機関へつないだ。
  • 近年町内に復興公営住宅ができ、復興公営住宅の自治会形成の支援を行うNPOが主体となり、復興公営住宅の自治会と共に地元住民との交流を目的に、サロンやイベントを催している。地域住民の参加を募るため、地域の自治会に依頼して回覧板を活用したり、地区のまちづくり協議会の事務所にイベントのチラシを置かせてもらうなどしている。その際は、三春町社協が各所に依頼をするなど地域の社協としての強みを生かした後方支援をしている。

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