三春町社会福祉協議会では、昨年度から継続して避難者地域支援コーディネーターを配置し、関係機関と共に地域の方々と避難者の交流や地域との協力体制作りを支援しています。
三春町内には2つの復興公営団地がありますが、特に平沢団地ではいろいろな市町村から避難している方がお住まいになられているため、団地内の住民同士のつながりや自治会の活動にはまだまだ課題が残ります。昨年度から、毎月「ふれあいサロン」として少人数のお茶会を行っていますが、それ以外に子供たちがあつまれる場所作りや、ちょっと顔を合わせる場として野菜やお魚の移動販売も開始しました。
三春町内には循環バスも走っていますが、平沢団地はスーパーまでは距離があり、車がないと不便な立地です。そこで、町内の野菜農家さんにお声を掛けて週1回移動販売をお願いしました。
「前は仮設住宅に販売に行っていたけど、仮設住宅がなくなってから行かなくなったんだよね。気になっていたから、役に立てればいいな。」と、快く協力してくださいました。魚屋さんは野菜農家さんからのお誘いでの参加です。販売日はちょうど三春町の方も参加している体操の日。団地の方も、三春の方も一緒にお買い物されます。この時は、いつもは何も参加されない男性の方も買い物に来られる姿が見られます。今後も集まる場の一つとして活用できればと思います。
「サロンにわざわざいくのはちょっと」「人間関係もあるから」と数年生活していれば出てくる悩みが皆さんあります。今後も、通常の生活に近いちょっとした集まる場を作ったり、自分たちでやりたいと思うことを実施できるよう、皆さんのお声を聞きながら作る支援をしていきます。
↑ 野菜移動販売の様子
また、周辺地区とのつながり作りは今後継続して行っていく必要があります。
富岡町から受託している、平沢団地内にある富岡町サポートセンター平沢は昨年より正式に三春町の一次避難所となりました。しかし、「いったことないな」「入りにくいな」という該当地区の住民から意見がありました。確かに用事がなければ入ったことがない方が多いかもしれません。そこで8月6日に平沢団地の自治会長の協力も得て、地区の方向けの「避難所見学会」を行いました。
↑ 見学会の様子
↑ 施設見学の様子
(今年度から団地が立地する地域の区長さんが交代になり、顔合わせが必要でした。)実際開催してみると、参加率も高く、区長さんのみならず、区の民生児童委員の方々にも参加していただき、真剣に話に耳を傾け、熱心に施設見学をしていただけました。団地の自治会長からの災害時には「協力しましょう」というお話もいただき、地区とつながるよい機会となりました。炊き出しもやってみたいという声が双方からあり、避難場所となっているサポートセンターで、団地の方と協力して実施してみようかと話を進めている最中です。
万が一の時に備えて、一緒に協力する顔の見える関係が少しずつできているようです。
↑ 見学会チラシを地区に配布
もう一つの復興公営団地の恵下越団地でも、地域の方々とのつながりと交流を作っています。ボランティアセンターで7月に募集していた「寄付タオルでのぞうきん作りボランティア」には恵下越団地の方々も参加いただき、400枚を三春町教育委員会に寄付しました。
今後も避難者と地域をつなげ、三春町で地域の方と楽しく暮らせるように活動していきたいと思います。
三春町社会福祉協議会
避難者地域支援コーディネーター
佐藤 千春