震災から5年の年月を経過して、避難者支援の形も多種多様化されてきています。
震災当初は支援物資の仕分けから配布、各種団体様からの炊き出しやボランティアによるイベント受け入れ、そして開催協力など、全てがシナリオのない無形の活動でした。
手さぐり状態からの避難者生活支援相談活動において、私たちは不安と焦りを感じて日々の活動を続けてきました。時には、門前払いを受けたり、居留守をされたり、個別訪問の困難さと避難者の寄り添いの訪問活動に自信を無くすことも少なくありませんでした。
毎日の訪問活動を通じて、少しずつ私たちの活動に理解を示してくれる方々が増えていきました。当初門前払いしていたおばあちゃんは、1日訪問しないと、「どうしたの、さびしかったよ。」といって私たちを歓迎してくれます。
サロン活動では、定期的な開催によりコミュニケーション形成がなされ、住人同士の絆が生まれました。外部からのボランティア団体様の協力もあり、避難者の方とのふれあいを深めることが出来ました。
私たちは、人と人とのつながりがいかに大切かを日々の支援活動を通して学ぶことが出来ました。
これからの支援では、住宅再建に向けてのより具体的な支援活動に入ってきています。引っ越し支援も大切なニーズとなります。高齢者世帯、低所得者世帯等の災害公営住宅への引っ越しのお手伝いも行いました。
大手企業であるジョンソン・エンド・ジョンソン(株)様のボランティアの方々や地元警察署復興支援係の協力を得て、引っ越し支援活動を展開してきました。
手さぐり状態から始めた支援活動では、まったくマニュアルはありませんでした。これで良いのか、どうすればいいのか、何をすべきか、様々な問題にぶつかりながら活動をしてきました。
答えの見えない生活支援相談活動ではありますが、住人の方からの「ありがとう」の感謝の声が、私たちの大きな励みであることはいうまでもありません。
(文責 須賀川市社会福祉協議会 主任生活支援相談員 吉田裕司)