会津若松市社協の生活支援相談員4名は、原発事故により浜通り地区から避難し市内で生活している188世帯407人(平成31年1月31日現在)を支援しています。避難先の社協として、避難元社協が対応できにくいところを補うことを心がけて活動をしているとの事です。
今回は会津若松市社協の生活支援相談員の玉木睦美さんに会津若松市で暮らす避難者の様子や支援の働きかけなどについてお話をお伺いしました。
Q1:会津若松市社協が支援している避難者の様子や支援内容について、住居形態ごとに教えてください。
玉木さん
貸与期間終了後、居住先をどこに定めるか悩んでいらっしゃる方、子供世帯から同居の話があってもご自身の身の回りの事が出来るうちは頑張りたいと話される方、お子さんの通学状況により移動できない方などご事情は様々です。個々の状況把握に努め、お話をお伺いするようにしています。
会津若松市社協単独訪問の他、昨年から大熊町社会福祉協議会の生活支援相談員の方々と同行訪問を行ったりサロンに参加させて頂いたりしながら、住民の方々と顔の見える関係構築に奮闘中です。
就労している世帯が多くあまりお会いできる世帯は少ないですが、本会主催の「小法師サロン」への参加呼びかけや、会津ならではのお困り事などが無いかお伺いしながら訪問しております。特に雪については、困りごととしてだけでなく、運動になるから雪かきを楽しみにしているなど話題が多いですね。
Q2:訪問活動では、生活支援相談員さんはどのような声掛けや接し方をしていますか。
玉木さん
まずは、体調等に変わりがないかお伺いしています。それから、日常生活についての事や季節の話題、前回訪問した際に気になっていたことなど、なるべく生活状況が伺えるような声掛けをするようにしています。その他にも、玄関先の花の事、ペットの事や家庭菜園の話など住民の方が話を続けたいと思っていただけるような話題を出すことにより、生活支援相談員の訪問がリフレッシュタイムに繋がるように心掛けています。
Q3:避難先社協として、避難元社協にはない(難しい)特徴的な支援はどんなものがありますか。
玉木さん
避難元社協と避難先社協とは、同じ県内とはいえ距離的な問題があるのが実情です。郵便や電話連絡が取れず、必要な手続きが行えない事情が生じた場合、避難元社協に代わり避難された方の近くにいる私達が直接訪問して手続きの手伝いをしています。時には、避難元行政と連絡を取り合い支援に結び付くように活動を行うこともあります。
Q4:今年度、特に力を入れていることとして、避難者が地域に参加すること、地域の人とつながることを重視しているとお聞きしましたが、その理由は何ですか。
玉木さん
会津に避難されて8年の月日が流れました。避難されてきた皆様にとっては大変な8年間だったと思いますが、私達生活支援相談員は、会津を居住地としてくださった事に縁を感じています。それと同じように地域住民の方々も、せっかくのご縁なのだから同じ場所で同じ時を過ごし、辛い経験を乗り越えて少しでも楽しく過ごしてほしいと思っていらっしゃいます。その橋渡しするのが生活支援相談員の役割だと思っているからです。
Q5:避難者を地域につなぐために、生活支援相談員さんは具体的にどんな働きかけをしていますか。
Q7:避難者が地域に馴染んだ例や馴染むために頑張っているエピソードなどを教えてください。
玉木さん
私達が訪問させて頂いている方々は、ご自身でカルチャースクールに参加されたり、借り上げ住宅に入居されていた時からの交友関係を継続されていたり、前を向いて頑張っていらっしゃる方が多いので、私達生活支援相談員がうまく溶け込んでいる情報を教えていただくことが多々あります。訪問の際に準備していたサークルやサロン案内のチラシが日の目を見ないこともありますが、喜ばしい出来事なのでほっこりした気持ちになります。