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大島 ミチルさん





大島 ミチルさん



昨年の3月11日、私は福島にいました。寒さと雪の中、沢山の方にお会いしました。

一番印象に残ったのは人の力強さと温かさでした。仮設住宅を訪ねた時、
そこに住んでいらっしゃる女性が「こんなところまで来て話しを聞いてくれてありがとう」とおっしゃってくださったのです。
「私は何も出来ていないのにごめんなさい」と言う気持ちと一緒に「また必ずここに戻って来ます!」と言って帰りました。
そしてお会いした沢山の方々から勇気と元気をもらったのは私の方でした。
その福島の人の優しさや力強さを世界中の人へ伝えたいと思っています。
私は音楽家ですから音楽でしかそれが出来ません。
でも、ずっと、ずっと、音楽で伝えて行きたいと心から思っています。
そして長い時間を掛けても一つずつ未来に向けて
解決して行けるように力を合わせて行ければと思っています。

私は、長崎出身で母が被爆者です。子どものころ毎日のように母から「その日のこと」を聞かせられました。
何十年経っても忘れることがない母の話す様子や繰り返されるその話し・・・
「言葉」で伝えることの大切さを大人になってしみじみ思いました。
福島の方々の思いもそうやって伝えられて行くと思います。
私はきっとそれが福島を、そして日本を、世界を守ってくれる大きな力となると願っています。
一人の言葉はちっぽけなもの・・・ではありません。
たった一人の言葉が心に響くことが力のそして命の源だと確信しています。
私たちは聞きたい、多くの言葉を聞きたい、そして私たちは伝えたい、
多くの気持ちを伝えたい・・・のです。

プロフィール
作曲家。映画音楽、CM音楽、TV番組音楽、アニメーション音楽、施設音楽などさまざまな分野で活躍。
代表作品として映画「北の零年」「明日への記憶」NHK大河ドラマ「天地人」のほ、「ごくせん」など多数。
「南相馬市民の歌」の作曲を手がけた。
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