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平成30年8月①避難者相談支援と対応時間の増加/②支援対象者の高齢化

①平成30年8月の相談支援と対応時間の増加

平成30年8月の訪問は10,754世帯。相談件数は5,573でした。相談内容の内訳は以下のグラフの通りです。



今回は、生活支援相談員による相談支援時間の増加について紹介します。以下のグラフは、一人に対して生活支援相談員が相談やその他の支援で関わった時間の平均値です。

○生活支援相談員が関わった時間の推移(分)

H25年に減少して以降は増加傾向にあり、現在は震災のあったH23年を上回る時間です。
近年、避難指示の解除、仮設住宅の供与終了、災害(復興)公営住宅の完成など、避難者を取り巻く生活環境が大きく変化したことで、支援を必要としなくなった方と今まで以上に支援の手を求める方の2極化がみられるようになりました。支援を必要とする方は、転居先が決まらないことや健康状態の悪化など避難当初より生活課題が増え複雑化していることが多く、訪問の頻度が増え、さらに傾聴時間が増えることで対応時間が増加しています。


②支援対象者の高齢化

(1)社会から孤立する高齢者

支援対象者の高齢化も対応時間の増加の要因の一つです。下のグラフは平成30年8月現在の支援対象者の年代構成です。

○支援対象者の年代構成(人)

平成30年8月現在、福島県の生活支援相談員が支援対象としている方は54,719名で
65歳以上の割合は41.3%(22,604名)です。うち70代が一番多く、全体の15.5%、次いで80代が11.8%です。また、避難をきっかけに世帯分離となり高齢者が独居または、夫婦二人暮らしになるケースが増えたため半数以上が高齢者世帯です。

このような中、仮設住宅、借上げ住宅、災害(復興)公営住宅、避難先での住宅再建、帰還、いずれの居住環境でも高齢者が周囲から孤立し、孤独な状況にあることが大きな課題となっています。

避難先で近隣と関係が築けない方、趣味や仲間づくりが上手くいかない方、あまり人との交流を望まない方、理由はさまざまですが人との交流がなく家に籠りがちな高齢者が増えており、相談員の訪問で「その日初めて人と話をした」という方も少なくありません。また避難指示が解除になり自宅に戻った方も、様変わりした町で以前のような近所付き合いや日常生活を送ることができず、より一人の寂しさを感じている方もみられます。

生活支援相談員は、一人でいる寂しさを訴える高齢者の話し相手となることも多く、傾聴時間は数時間に及ぶこともあります。そのため、高齢者の増加が対応時間の増加につながっていると考えています。

生活支援相談員は傾聴のほかに、サロンや地域のイベントへの誘いなど人との交流を促していますが、本人の意欲が低下していたり、サロン等に行く交通手段が確保できないなど交流を困難にする要因も多く、改善が難しい状況です。

また、仮設住宅や災害(復興)公営住宅は、震災前に住んでいた自宅に比べて狭く、畑もありません。日常的に体を動かしていた生活から、家の中でじっとしている生活への変化で健康状態が悪化し介護や医療を必要とする人も増えています。


(2)みんなで畑をつくる

このような状況の中、避難指示解除となり住民が帰還した広野町社会福祉協議会では、高齢者の生きがい、居場所づくりの取り組みとして共同で畑づくりをしています。

“一緒に汗を流そう「畑サロン」” 広野町社会福祉協議会【生活支援相談員通信】

他にも、富岡町社会福祉協議会、川内村社会福祉協議会が地域住民との畑づくりに取り組んでいます。震災前は農業や家庭菜園に勤しんでいた方が多く、作業の段取りを考え、作物の成長を見守りながら、みんなでいきいきと畑づくりを楽しんでいるそうです。
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